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私立の場合 |
公立の場合 |
| 幼稚園 |
15〜25人 |
25人以上 |
| 小 中 |
20〜30人 |
30〜40人 |
| 高 校 |
35〜45人 |
40〜50人 |
●州からの科目と学校独自の科目を1年生〜8年生までに設定してある。ポルトガル語、
数学、歴史、 地理、科学、体操、美術、芝居(演劇)、必ず1つの外国語(英語)を学ぶ。
独自の教科としては図 画2年間、スペイン語3年間、コンピュ−タ−4年間、高校ではポ
ルトガル語、数学、物理、化学、 歴史、地理、スペイン語(独自)、作文。

●以前の日本とやや違う点はこの学校では先生と生徒たちとの関係はとても親しく、生徒
の表情も明るい。
●学校以外で学ぶものは小中では体操、フットボ−ル、バスケット、ブラジルの踊り(体の
バランスをとるために)芝居、美術、コンピュ−タ−などがある。
●学校の始まりは2月中旬、夏休み12月20日〜1月31日。冬休みは7月2日〜8月3
日、公立は 7月一杯。
●小中高への進学は無試験だが、学年進級への試験はある。他校からは編入テストがあ
る。
●制服を決めているのは8年生(小中学校)まで。学校によっては自由の所がある。高校
では自由。小〜高校について髪は染めたり、耳飾りはよい。酒は18歳以上にならないと
飲めない。タバコは15 歳よりよいが、学校ではいけない。職員も喫煙室ではいいが、生
徒の前ではいけない。
●いじめについては日本と同様ブラジルでもあっているといわれる。
2.ESCOLA SENAI"MARIO AMATO"
CENTRO NACIONAL DE TECNOLOGIA EM CERAMICA,PLASTICOS E QUIMICA
『マリオ・アマト」セナイ校
全国セラミックス・プラスチック・化学技術センタ−』
各会社が働く人の為に1987年に設立した工業学校で、セラミックコ−スをはじめプラスチ
ック、ゴム、化学、電気、建築、機械、食物、グラフィックなど多種のコ−スが各地に設けら
れている。
ここサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポ市にある全国技術センタ−にはセラミックコ
−スはじめプラスチック、ゴムなどのコ−スが設けられている。ここでは設立会社と連携し
た実務のセラミックス教育が行われており、ドイツのデュアルシステムに類似した教育制度
をもつ。公立の工業学校にはSENAIと比較して設置学科が少なく、セラミックコ−スはな
い。この全国技術センタ−は出資会社から60%、州より40%の補助があり、最新の設備
が整っている。中学を卒業して3年半に900時間を会社で働き、卒業後は出資した会社に
就職し、内60%は夜間大学に進む。
ドイツは、小学校を修了後5年ないし6年で終えると18歳まで企業での実地教育と職業教
育での理論教育を組み合わせたシステムで教育を受ける。即ちデュアルシステム教育は
学校と工場との併合教育であって週に1〜2日学校で理論を学び、残りの日は工場で働
き、技術を修得する。そして卒業には実習報告と作品の提出をし、合格すれば職人として
の地位を得る。さらに技術を修得してマイスタ−という技術者としての地位を得る。「ドイツ
の現状」(1993年発行)に似ているようです。
●工業のための技術センター
「マリオ・アマト」SENAI全国技術センターは、セラミックス・化学・プラスチック・ゴムの分
野における技術教育、技術指導、技術情報ならびに応用研究を専門としている。

(1)専門養成コ−ス
コ−スは授業時間は午前、午後と一日、校内教育7学期(各学期半年)と企業内での指導
研修900時間で構成されており、セラミックス、プラスチックスならびに化学部門の高卒工
業技術者を養成する。
コ−ス全体のカリキュラムは、一部全ての資格分野に共通する部分と、もう一部は各専攻
分野に該当する専門学科と指導研修に分けられる。コ−ス終了後、生徒は技術教育を学
習すると共に、高等普通課程も修学するため大学に進学できるようになっている。
(2)専門資格コ−ス
モジュ−ル(基本)化されたコ−スで、各400時間のモジュ−ルはそれぞれ独立しており、
テ−マをモジュ−ル内で終了するように編成されているため、生徒は関心を持つ分野を専
攻し、学習を迅速的かつ計画的に進められる。コ−スは昼間部と夜間部があり、セラミック
スの分野では以下のテ−マで実施されている。セラミック技術コース:一日授業(昼間部)
で、白色セラミックスの成形、陶化と装飾。構造セラミック、タイル、耐火物、ガラスを学ぶ。
モデュール終了後、生徒は修学証書を受領し、全モデュールならびに指導研修を終了した
場合、高卒技術者(テクニシャン)の資格取得証書が与えられる。
●研修制度
最低900時間の指導研修は、生徒に実際の職場を体験させる目的を持つ。そのため
SENAIサン パウロ支部は、研修統括部門を持ち、将来の専門家を採用する関心を持つ
企業に対して、雇用契約等の 支援や情報提供を行なっている。
●セラミックス物性試験
●セラミックス教育
・赤色セラミックス(瓦や煉瓦)技術
・タイル分野の総合的品質管理の認定用試験
・押出し工程と管理
・ 高温測定
・ 石膏成形
・赤色セラミックスの乾燥機と乾燥炉の操作
・ 耐火物:製造工程
・ 衛生陶器成形
・セラミックス製造工程管理の物理試験
・ 粘土旋盤
・ 熱分析
・構造セラミックス製造工程の管理
・ セラミックス炉操作作業者
・素材の基礎管理
・タイル製造技術
・ ガラス製造技術
・セラミックス素材の粉砕とフルイ処理
・ 陶器の塗装
・ 粘土彫刻
・陶器と陶化処理の技術と管理
・タイルの霧吹きとプレス処理
(1)SENAIとは民間組織である全国工業連盟の教育部門(Servi o
Nacional de
Aprendisagem Industrial=全国工業職業訓練所)の頭文字を取った略字。
(2)全国工業連盟はブラジルの首都であるブラジリアに本部を持ち、各連邦州に、州工業
連盟がある。その教育部門であるSENAIは全国各地に学校を持っており、ブラジル工業
化が始まった1950 年代より技能者教育を実施して、ブラジル産業界をフォロ−してき
た。
(3)対象者は、工場勤務を希望する中卒の学生であるが、高等科普通課程の学科もカリ
キュラムに組み込まれているため、高等専門学校と普通高校を合わせた性質を持ってい
る。
(4)本校は、そのSENAI校の一つであり、専門とする分野においては全国SENAIのリファ
レンス(モデル)校として位置づけられているため、全国センターと呼ばれている。また「マリ
オ・アマト」とは校名であり、元サンパウロ州工業連盟長であったマリオ・アマト氏に由来す
る。
●年4月と8月に2回入学し、現在、1つの学科について38〜40人の生徒が学び、全部
で300人がいる。内260人は工業学校生徒で40人は会社より派遣されてくる。卒業後は
出資会社に就職するが、約60%ぐらいが夜間大学へいく。授業は7時15分〜午後5時ま
で。
●在学中に900時間働かないと卒業ライセンスがもらえない。そして在学中に900時間ま
で働いている人には月350R$の支給があり、卒業してからは月800R$になる。
1R$=116円
●1年間にテストは2ケ月に1回の合計4回のテストがある。進級については半年ごとに2
回テストをして進級を判断する。進級できない生徒には補習をする。以前の日本とやや違
う点は先生と生徒の関係はとても親しい。
3.
CENTRO DE ESTUDOS DA CERAMICA
サンパウロ陶磁器研究センタ−
 |
入学料金は無料だが、授業料金は有料。フリエダ校長先生はじめ
優秀な講師によりカラ−素地、釉薬、ろくろ(茶碗やどんぶりの製
作)、粘土の作り方、彫塑、オブジェ、デザイン、企画デザイン、焼
成分野を系統的に指導している。陶芸家によるワ−クショップ(臨
時の短期間の有料講習会)が行われていることは興味深い。ろく
ろ研修は1年間で卒業後は陶芸家をめざす。 |
4.
LICEU DE ARTES E OFICINA DE SAO
PAULO
サンパウロ芸術職業学校
1873年に民間民事会社により設置され、運営は高等審議会、理事会ならびに実施委員
会によって進められる。ここは職業に就くために週2回陶芸科や製本科、絵画科、木彫刻
科などで学ぶ。2年間後は陶芸家への志望や会社に就職する。創設120年の歴史を持
ち、芸術と技術の統合を目指してきている。利益は学校の目的活動維持に使用される。
5.サンパウロ州の陶芸家
広大なブラジルで佐賀県出身のShuugo Izumi(泉修梧)氏は粘土の水簸から成形、釉
薬、登り窯焼成まで全部、自分で研究している。釉裏紅による壺、花瓶などをユ−カリの木
でSK9〜14で27時間焼成している。
Hideko Honmaさんはバナナやユ−カリ、ワラビなどの灰釉を用いたオブジェ(大皿、食
器、埴輪など)で自己表現している。ろくろ成形、削りは左周り、土練りは右周りと違う。
Norma Grinbergさんは古典的オブジェを、Leila Mirandolaさんは装飾品オブジェ
を、Erica Schwarzさんは主に魚をオプジェにしたのを、Ligia Catundaさんは音感の
ある作品など独特の製作観をもって創造性を重視した現代芸術(object)を追求してい
る。UNESP大学ララダ ダダリッシュ先生からはインディオの陶芸を紹介されたのは興味
深い。

1951年より隔年でサンパウロビエンナ−レ国際美術展が開催されている。又平成9年
(1997)6月には天皇皇后両陛下御来伯記念として第1回日伯現代美術工芸展が開催さ
れ、渡伯された陶芸家の作品を見ますと日本の伝統工芸文化がブラジルに於て、いかに
変様してきたかがわかる。
陶芸家泉氏の中学生の子供を本校セラミック科に入学させたいと要請があり、本校と県教
育委員会に相談したが、日本より修学年数が1年短いことや日本語が不十分もあって、泉
氏が断念されたのは大変残念でならない。JICA国際交流事業団による日系人社会の発
展への支援、佐賀県国際交流協会を通じた日本での技術研修制度、佐賀県立有田窯業
大学校での外国留学制度による陶磁器の専門知識、技
術の修得などがありますが、日本に帰国した子供への教
育援助や外国からの入学などが今後の課題といえます。
最近では日本にみえたブラジル人の子供たちへの教育
をどうしたらよいかという問題も深刻になっています。 |

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6.
UNIVERSIDADE ESTADUAL PAULISTA
DE SAO PAULO
サンパウロ州立パウリスタ大学−サンパウロ・キャンパス美術学院

州立パウリスタ大学(略名UNESP)は同じくサンパウロ州の州立大学である。
サンパウロ大学(USP)及びカンピ−ナス大学(UNICAMP)と並んで、州公立大学システ
ムを形成する。現在、UNESPはその3大学における学士課程生徒数定員の32%を占め
ており、州立パウリスタ大学の一学部である美術学院が対象とする分野は、美術、芸術教
育と音楽であり、実施する活動は学士活動、大学院課程、再教育課程、卒業後の課外講
座、研究ならびに地域社会への貢献である。教員の中には、全国的に有名な芸術家、音
楽家、教師や研究員がいる。セラミックスの分野は、視覚美術学科のララダ・ダダリシュ教
師が担当する教科「彫刻」のカリキュラムに組み込まれている。UNESPでは私が「日本、
有田の陶磁器について」講演をした所、生徒はじめ先生方は日本の伝統芸術に対して高
い関心と感銘を受けた事とさらに相互の工芸文化の違いを語り合いながら、日本での伝
統や新しい陶芸を研究したいといわれた。授業では先生にはよく質問がよくあるというが、
日本では質問はあまりないが。
7.陶磁器製造会社
ブラジルにはSchmidt、Veracruz、Renner、Oxfordなどの製造会社があり、磁器、陶
器に洋絵具による鮮やかな加飾で製造している。ブラジルの国土全体は赤い土
(SiO258%、Al2O323%、Fe2O38%他、含有鉱物は石英、セリサイト、ギブサイト、カ
オリナイト SK261580℃)で覆われ、可塑性を補うため粘土と混合して900℃で焼成し
た瓦や煉瓦が製造されている。
8.ブラジルの粘土と植物灰
Hideko Honmaさんはブラジル産粘土(ITU、PASCOAL他)に植物(ユ−カリ、バナナ、
ピ−ナッツ、野生シダ、ココナッツ、砂糖きび、草等)灰釉を使用したオブジェ作品(ブラジ
ルコ−ンNo9(1285℃)No10(1305℃)還元焼成)を製作している。ブラジルの灰釉は
日本とは又違った独特の色彩があり、非常に興味深いものがある。ITU粘土の成分値、焼
成状態は備前の伊部土に似ており、PASCOAL粘土は信楽土に似て両土共に十分可塑
性がある。バナナ灰は日本の土灰、柞灰などに似ており鶯、藍、空色、乳濁を呈する。シ
ダ灰は白濁、ユ−カリ灰はうす茶乳濁、松灰は緑色を呈する等多彩な灰釉を組み合わせ
ると更に芸術的な色彩を表現する。釉薬は長石、植物灰、石灰石、ワラ灰、珪石、カオリン
らの調合でつくる。調合例長石50、灰20、ワラ灰30%。
佐賀県窯業技術センタ−に原料の化学分析値を依頼したところ、ITU粘土にはSiO2が
64 Al2O321 Fe2O3が3% K2O2.3 Na2O 0.5%などが含まれ、含有鉱物として
は石英、カオリナイト、マシコバイト(セリサイト)、ソ−ダ−長石、微斜長石(カリ長石)であっ
た。
ユ−カリ灰にはSiO2 0.2 CaO 46 MgO7.8 Na2O 0.1 K2O2% P2O5
4%などが含まれ、バナナ灰にはSiO2 23 CaO 28 MgO 8.1 K2O6% P2O5
2%などが含まれていることがわかった。鉱物は共にCaCO3であった。
結 言
ブラジルは私にとっては夢にも思わなかった初めての外国訪問先でした。今回の訪問は
サンパウロ市の陶芸家の方々のご協力により実現でき、全ての訪問先で心から歓待を受
けましたことは一生忘れることはできません。気候も温暖で災害も少なく、大自然に恵まれ
たブラジル、そしておおらかな心をもつ国民性のブラジルは住み易い国といわれます。お
世話になった家庭の家族はじめ親戚の方々が私を心から歓迎して頂き、私は夢をみてい
るような日々を過ごすことができました。とてもすばらしい国民と感じました。
ある陶芸家の展示会に手伝っていた高校生から私に「腹がへっていませんか」と言われて
つい私は腹がへっているにもかかわらず、日本人特有(本音と建前)の「いいえ」といってし
まい、本当の気持ちで会話をするブラジルの方の温かさを知りましたと同時に自分自身、
恥ずかしい思いをもったのでした。
平成10年ブラジル日本人移民90周年記念を迎えましたが、日本から移民なされた方々
のご苦労はひとくちでは語れないものがありましょう。以来、私はもうすぐ「移民90周年史」
が編纂されようとしている中、日本ブラジル中央協会発行「日本ブラジル交流史」や伊東宏
氏執筆の「二世とは」、1999年11月サンパウロ新聞連載の「ブラジル日本人移民の
1900年代」などを読む内に日系人の歴史的生活に強く関心をもつようになりました。
ブラジルで私は本物の日本人に出会ったように思いますし、年ごとに失いかけている日本
古来の心と文化がブラジルには残っていることにとても嬉しく思いました。さらにブラジル人
との考え方とは違っても、心は相通ずるものがあり、私は知り得たブラジル国の文化を日
本の方々に機会があるごとに伝えることで、両国との関係がより親密になると信じています。
ブラジルの産業教育は工場と連携した職場研修制度を併行したものであって、将来の日
本の産業教育にあっては職業観念や実務の専門技術を理解させる為に大いに参考となる
ものと考えます。1999年高等学校にインタ−ンシップ制度が導入され、本校でも工場実
習に取り組む計画があります。
又、ブラジル産粘土と植物灰の化学分析、X線回折測定では佐賀県窯業技術センタ−の
多大なる御協力により測定結果が得られました。ここに厚く御礼を申し上げます。
(1999年11月27日記)
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