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現代ブラジル事典、6月上旬発刊へ
 
<世界をリードする今日のブラジル>           
国際社会のなかでブラジルが存在感を増しています。その政治・経済は長く混乱のなかにありましたが、多くの制度改革よって安定を取り戻しています。財政規律が保たれインフレが終息し、輸出努力によって、また国際社会の信頼回復による直接投資の増加によって、対外経済バランスは大幅に改善しました。農業や鉱業はもちろん、工業においても自動車、航空機から最近ではバイオテクノロジーやソフトウェア開発など最先端部門も発展し、産業の厚みと多様性が増しています。政治においては、社会民主主義的な政権のもとで、政治への市民参加を促し、社会的公正をともなった成長を目指しています。国際舞台においては、南北アメリカにとどまらず、EU、アジア、アフリカ、中東へと多元的な外交を展開しています。ブラジルは国連改革において、安全保障理事会の新メンバーの最有力候補のひとつになっています。
         
米国の証券会社ゴールドマンサックスは、将来先進国に匹敵する経済規模をもつと予測される国々をBRICs(Brasil, Russia, India, China)と称しましたが、ブラジルはロシア、インド、中国とともに、その一角をなしています。この4カ国の経済はその市場規模からみて高い潜在力をもっていますが、他方で食糧、資源・エネルギー、環境など多くの制約要因を有してもいます。むしろその高い成長率が、世界に食糧、資源・エネルギーの不足、地球環境の悪化などの撹乱要因を与える可能性もあります。ブラジルは、これらBRICsのなかで最も制約が少なく、持続的成長を可能とする条件を備えた国です。それ以上に、世界の食糧、資源・エネルギー、地球環境問題を緩和することができる国です。ブラジルは農業のための広大なフロンティアと多様な鉱物資源を有しています。さらにエタノールなど再生可能なエネルギーに関して高い供給能力をもっています。また大半がブラジルに位置するアマゾンは、人類にとってかけがえのない遺伝子資源の宝庫であるとともに、地球温暖化の行方を左右する重要な地域です。 
  
このように、ブラジルは「世界の命運を左右する国」として新たに登場しつつあります。しかし日本におけるブラジルのイメージは旧態依然としたものにとどまっています。その結果、日本のブラジル認識は世界のそれから大きく離れ、遅れつつあります。本事典は、国際社会のなかでその重要性を高めているブラジルの全貌を正確に、生き生きと伝えることを目的としています。自然、政治、経済、産業、社会、文化、環境、日本との関係、法制度の各章について、総勢100人を越える第一線のブラジル研究者、専門家が執筆にあたっています。図版を多用するなど視覚的な工夫も凝らし、ブラジルとのビジネス、国際交流、学習などにきわめて有用な情報ツールとなっています。 
2005/05)

監修者:小池洋一(拓殖大学)、西沢利栄(元筑波大学)、堀坂浩太郎(上智大学)、西島章次(神戸大学)、三田千代子(上智大学)、桜井敏浩(徳倉建設・拓殖大学)、佐藤美由紀(杏林大学)

■全9章、テーマ別の編集による〈読む事典〉/全項目のインデックス付/写真・図版・統計資料多数/各章にコラム、BOXを配置し、ブラジル社会を多角的に照射/関連資料=年表・略語集・参考文献/事項・人名・地名索引付

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