日本、ブラジル向け投資増加を検討

(Gazeta Mercantil紙3月1日記事抄訳)

2000年3月1日
日本アマゾンアルミニウム(株)


【Rio発:Eliana Velloso記者】

 日本政府の国際的経済援助機関である、JBIC(国際協力銀行)は70、80年代盛んであり、近年冷えつつある二国間経済関係を逆転すべく、ブラジル政府と同国への投資の新政策の検討を開始する。

 4月に企画・予算・運営省大臣のMartus Tavares氏は東京でJBIC経営陣と会議し、新規投資を受けるPriority部門の決定をする。最優先部門の一つはエネルギー部門であり、JBICはすでにPetrobras社のプロジェクトに融資をしている。この会議は日本輸出入銀行及び海外経済協力基金(OECF)の廃止統合以来、初めての、ブラジル政府とJBIC経営陣の会議でもある。去年、日本輸出入銀行と OECF は統合し、IBRD(世界銀行)に次いで世界で2番目の、資産総額1600億ドルの開発協力銀行−JBICを設立した。

 会議では日本政府が心配している、近年の対伯投資の減少についても話し合われるであろう。対伯投資減少の問題は、すでに昨年10月開催された、在ブラジル日本公館と在伯日本企業家達との会議でも議題として取り上げれられている。

 先月発売された日本の「エコノミスト」誌において、ブラジル駐在の鈴木大使は、日本のブラジルに対する投資は、ブラジルの経済回復のスピードに歩調を合わせてない、と指摘している。 鈴木大使は、1996年度には日本の対伯投資額は日本全体の外国向け投資額の2.51%を占めていたが、1997年度には2.23%、1998年度には1.19%に下がり、1999年度には1%を僅かに上回る比率にまで下がってしまったと述べている。鈴木大使は現在日本の対伯累積投資額はドイツ、スペイン、米国に次いで4番目となっているが、1998年度における年間投資額では日本は18番目となっていると指摘している。大使は、ブラジルとの幾多のパートナーシップ・プロジェクト事業等による歴史的な経済協調関係が、ここに来て失われるのを懸念している。

 日本人はこの(日伯間の)歴史的な経済協調関係は、日本とブラジルが、アジア圏及びラテン・アメリカ圏をそれぞれ代表して、2大陸間の経済関係拡大を可能とする礎石だと考えている。しかし彼等はこの交渉に肝心な仲介者の不足を嘆いている。仲介者の役目は、以前は(国営時代の)リオ・ドセ社(CVRD)元社長Elizer Batista*1氏が果たし、リオ・ドセ社はBatista氏のおかげで多額の日本からの投資を獲得できた。

 JBICリオ駐在員事務所の江口氏によれば、日本輸出入銀行及び OECF による対伯投資、及び融資額は総計で90億ドルにも達しているという。これらの融資は、主にブラジル経済及び社会発展のための戦略的プロジェクトに向けられており、例えばパラー州のアルミニウム生産(Alunorte/Albras)、ミナス州のパルプ生産(Cenibra)、セラードの大豆(Prodecer)、サンフランシスコ川流域のフルーツ(Petrolina/Juazeiro)等などがある。江口氏は日本の対伯投資減少の原因は、日本側が(過去に)投資したプロジェクトの、その後の事業の垂直展開(verticalization)を認識していないからだと言う。その一つの例として、リオ・ドセ社のHolding会社であるAluvale社、及び日本側コンソーシアムの日本アマゾンアルミニウム株式会社(NAAC=日本企業31社の出資)が共同経営するAlbras社のアルミ地金生産がある。日本側が8.24%資本参加しているAlunorte社へは、最近ノルウエーのNorsk Hydro社*2の資本参加があったばかりだが、Norsk社はAlbras社へも資本参加を望んでおり、アルミの生産拡大及びアルミ加工製品の生産に関心を持っている。Albras社の唯一人のNAAC代表である、管理担当取締役の中村隆至氏は、同社のアルミ生産能力拡大計画については、日本側株主の間で未だ検討中であると言う。中村取締役は「生産拡大のためには、(他のアルミ生産工場と)競合可能な価格の電力供給が不可欠な条件である」と語った。

 日本からの垂直展開への投資を困難にさせている、もう一つの要素はブラジルの製品の品質である。日本企業のブラジル製品の品質に対する信頼はまだ充分ではないということを認めている。彼等はまた、ブラジル側とどの分野に日本の投資を集中させるかについて、話し合いたいと考えている。

 ここ数年OECFはブラジルの公害対策、下水処理、環境改善等のプロジェクトに対して、多くの融資を行なっている。しかしこれらの公共事業が最近民営化されつつあることから、JBICはこれらの事業への融資を続行するかどうかを今検討中である。OECFによる融資プロジェクトの一つに、IDB(米州開発銀行)からも支援のあるグアナバラ湾(リオデジャネイロ州)の公害防止プログラムがある。総額300百万ドルのこの融資は、リオ州政府の対応不足から、実行が遅れ気味であったが、OECFはリオ州政府の対応に注意を促し、融資を行なった。江口氏は、融資は工事の請求書をベースにして行なわれているため、(リオ州政府の一時的な融資の)流用の心配はないと保証した。

注:*1 Elizer Batista氏は、1960年代初めと79〜84年の2度にわたってCVRD社長を務め、
           また戦略問題担当大臣(コーロル政権)にも就任している。CVRD鉄鉱石の対日長期輸出を実現し、
           日本との大型合弁事業の推進に貢献した。

  *2 Norsk社(本社ノルウエー)は年間売上150億ドル、石油/ガス、肥料、アルミ/マグネシウムの3分野
          で営業活動し、うちアルミの生産量は750千t/年。

 

【NAAC-RIO 小川憲治訳】




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