日本、ブラジルへ投資再開するための条件を見直し

(Gazeta Mercantil紙10月23日記事抄訳)
     

                           2000年10月23日
日本アマゾンアルミニウム(株)


 

  • 日本はブラジルへの投資を数年後には再開するであろう。その投資は特に製造設備、工業プロセスの近代化、製造業および情報技術の分野に対して行なわれる筈である。日本は、経済的には世界2番目の位置にあるにもかかわらず、近年の対ブラジル投資は極端に減少している。ちなみに、1996年〜1999年間の日本の対ブラジル投資額は他の投資諸国と比較した場合、僅か12番目の位置を占めているに過ぎない。この対ブラジル投資の減少は、日本の景気の後退だけが原因ではない。ブラジルが、サルネイ政権時代の1986年に発表したモラトリアムの影響が今日まで尾を引いていると識者は指摘する。
       
  • 「日本は、過去のブラジルのモラトリアムを忘れる必要があり、また現在、ブラジルには共同事業を可能とするグッド・チャンスがあるということを知らなければならない」と、南米経済スペシャリストの細野昭雄教授はいう。筑波大学大学院で国際経済政治学、並びに神戸大学経済および経営研究院で教鞭を取る細野教授によれば、日本−ブラジル2国間の経済協力関係をさらに強化し得る、多くのファクターが現在生じつつあるという。
        
  • 2001年1月より、日本政府は経済再生を目標として、二つの重要な改革を実施する。一つは行政改革であり、現在24ある省を12に削減らすことによって、多くの官庁職員が民間企業へ移動することになる。そして、もう一つの税制改革によって、企業への減税を図る。金融業界改革により管理を強化し、さらに銀行界の統合を簡易化した後に日本は再び経済成長を始めるだろう、と細野教授は見ている。そして、IT(情報技術)は将来の日本−ブラジル間経済交流の主流になるであろうと予測する。「日本はIT分野において大幅な進歩を遂げつつあり、この分野はブラジルとの経済交流においても大きな位置を占めると思う。」と細野教授は語る。日本電話通信業界の巨人であるNTTはブラジルの携帯電話(C,D,Eバンド)事業参加に大きな関心を示しているという。
         
  • 日本が銀行(債務)問題とアジアの景気後退に直面していた頃、ブラジルは市場開放および構造改革に向けてまっしぐらに直進していた。細野教授によれば、ブラジルの経済安定と経済成長の再開は(外国投資企業にとって)大いに希望を持てることであるという。「ブラジルはラ米最大の国であり、日本が再び強力な事業パートナーとしてカムバックすることは当然である」という。彼は、ブラジル官営企業民営化においての日本側の参加がなかった理由として、日本企業の特有性を挙げ、日本企業は製品の製造には強いが、サービス業はそれほど得意ではない、と分析する。
        
  • もう一つ細野教授が挙げる2国間の一致点は、両国とも地域経済ブロック内での地位強化および他地域経済ブロックとの交流強化を目指して努力・交渉を続けているということである。Itamaraty(ブラジル外務省)の統合問題、および経済外国貿易担当副次官であるJose’ Alfredo Graca Lima大使は、現在、日本,韓国,中国の各国とメルコスールの代表として絶え間なく交渉を続けている(注1)。
         
  • 11月には、東京および大阪で2国間政府閣僚級の会談が行なわれる予定である(注2)。ブラジルはアジア圏との経済交流拡大を求めており、特に農産物の輸入条件の見直し(輸入簡易化)を目標としている。日本は世界でも有数な食料品輸入国である。豚肉だけでも年間85万トンを輸入する。細野教授は、農産物の分野でも2国間経済交流が大いに発展する潜在的可能性があるという。

 

(注1) ブラジルは12月まで、加盟4カ国輪番のメルコスールの議長を務める。
(注2) 10月24日に行われる日本・メルコスール高級事務レベル協議に合わせて、東京と大阪で開催されるメルコスール・セミナーの誤り。

 

【NAAC-RIO 小川憲治訳】


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