ニッケイ新聞 (2002/10/02)

「樹海」

 ブラジルの動植物、地名などに先住民のツピー・グアラニー語が使われていることはよく知られている。パラナ、イグアスー、クリチーバ、聖市のイピランガ、イビラプエラ、タマンドゥアテイなど数多い。自分の住んでる町、そこを流れる川、空飛ぶ鳥の名の「原語」を知りたい……役立つ辞書はないだろうか ▼そんな折、南米本願寺(真宗大谷派)開教使・広瀬一浄さんが『ツピー・グワラニー語』の日本語辞書を上梓した(二十七日付本紙6面)「ブラジル主要都市名の山河などに残る原住民の言葉」と断ってあり、それのみに絞られている。かつて(一九五一年)香山六郎さんが『ツピ単語集』を出して=いまは絶版=いるが、これに次ぐ偉業だ。著者はアフリカのザイル(現コンゴ)の言葉のひとつ『リンガラ語』の辞書を出版(丸善)するほどの優れた実績を残している ▼広瀬さんは戦時中、海軍兵学校(78期)でサンパウロ在の森田左京、続木善夫さんとは〃同期の桜〃。「同じ釜のめしを食った仲間」だ。本の端書きの中に『皇国に命をささげた海ゆかばの少年の昔は専ら《至誠に悖るなかりしか。努力に憾みなかりしか。気力に欠るなかりしか……》がモットーでしたが、三宝に帰依し僧籍に身を置く現在――』とある ▼バストス、ツパン管内の駐在開教使に派遣されて3年。バストス南米本願寺に常駐し、〃つとめは重し身は軽し〃とばかり飛び回っている様子。(連絡先=14・445・1547)。(田)

..☆.。.☆.。.☆.。.☆.。.☆。..☆。..☆.。.☆。..☆.。.☆..

ニッケイ新聞 (2002/09/27)

『ツピー・グワラニー語日本語訳=広瀬さん1冊の本に

南米本願寺(真宗大谷派)の広瀬一浄さんがこのほど「ブラジル原住民の言葉・ツピー・グワラニー語」を上梓した。
  
広瀬さんは三年前からバストス・ツパンの南米本願寺に派遣されているが、この間にブラジルの地名や川などに、本来ポルトガル語でない言葉(ツピー・グワラニー語)が使われていることに興味を抱いたのが始まり。文献を調べたり、市役所、図書館を訪れて確かめるなど、ツピー・グワラニー語の日本語訳につとめた結果が本になったという。
  
広瀬さんは、より深くブラジルを知り愛するために「みなさんのお役に立てば」としている。なお、本書はサンパウロ市高野書店で取り扱っている。一冊二十レアル。

 

故中隅氏が『データベース利用して 次代にのこしたい知的遺産』に"ブラジルの豊かなファウナ(動物相)、フローラ(植物相)は新大陸独特の物の名前jをポルトガル語に言いかえる事は到底不可能なのである"、と書かれているように、私達が普段気がつかずに使っている言葉の中にtupi-guarani語の多いのにあらためて驚かされる。(鈴木佐代子)

        
ホーム】【文化評論コーナー